投票とマタイ効果

最近、新しく作るウェブサービスをデザインすることがあった。みんなで必要な機能をブレインストーミングした。ポストイットに要求されるであろう機能を書き、それを壁に貼った。100枚以上のポストイットが貼られた。それが終わると、各々がイイと思う機能が書かれたポストイットに小さなシールを貼っていった。より多くのシールが貼られたポストイットに書かれた機能を実装しようというのだ。

この投票には問題があった。たしかに、やってみると、みながポストイットを次々と貼ってくれる限りは機能する。しかし、投票の段階になると、自分の投票は、すでに貼ってあるシールに影響されてしまうのだ。シールが貼ってあるところは目立つ。人々はシールが貼ってあると、何が書いてあるのだろうと思い、読みに行く。そして、シールに影響されながら「これはたしかに必要だ」と納得し、自身もシールを貼る。これが繰り返され、数枚のポストイットにシールが大量に貼られる。

マタイ効果と呼ばれる法則がある。条件に恵まれた研究者は優れた業績を挙げることでさらに条件に恵まれる、という内容だ。これは、ロバート・K・マートンがが新約聖書の「おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう」(マタイ福音書第13章12節)にちなんで名付けた。このような現象は、べき分布に従うため、べき乗側と呼ばれ、私達が住むこの世界でよく見られる。

ポストイット投票は、マタイ効果のわかりやすい例だった。 それぞれシールがいくつ集まったかも集計すればよかったが、それはしていない。

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